
Excelでデータを整理して11月の株式市場の動きを振り返ってみましょう。
本記事では、2025年11月の株価指数(日経平均・TOPIX・S&P500・ナスダック総合)と10年国債金利の動きを振り返りつつ、過去との比較や年初来の推移もチェックしていきます。
- 本記事は、筆者が個人的な興味からまとめたものです。筆者は投資の専門家ではないため、内容には誤解・過誤・計算ミス・解釈の間違いなどが含まれている可能性があります。
- 実際の投資判断を行う際には、本記事の内容に過度に依存せず、ご自身で十分に確認・ご判断いただくようお願いいたします。また、必要に応じて信頼できる専門家へのご相談をおすすめします。
- 本記事の内容をもとに、株式売買などの投資判断を行うことは推奨しておりません。
- 株式取引はリスクを伴う行為であり、最終的な判断はすべてご自身の責任でお願いいたします。
- データの活用については、十分に確認を行った上で使用してください。
2025年11月の株価まとめ
まずは、主要インデックス(日経平均・TOPIX・S&P500・ナスダック総合)の11月のパフォーマンスを見ていきましょう。
| 指数 | 前月末終値 | 今月末終値 | 前月比(%) |
|---|---|---|---|
| 日経平均 | 52,411.34円 | 50,253.91円 | -4.12% |
| TOPIX | 3,331.83pt | 3,378.44pt | 1.40% |
| S&P500 | 6,840.20pt | 6,849.09pt | 0.13% |
| ナスダック総合 | 23,724.96pt | 23,365.69pt | -1.51% |
2025年11月の株式市場は、夏頃まで続いていた強い上昇トレンドがひと息ついたような展開でした。日経平均とナスダック総合は調整の動きが見られた一方で、TOPIXとS&P500はわずかながらプラスを維持。「全面安」というわけではありませんが、市場全体としては“急騰の後のクールダウン”といった印象の月になりました。
各指数の動き
日経平均
11月は、まさに「高値圏から一段落」という動きでした。
月初には 52,636円の高値 をつけて史上最高値を更新したものの、その後は中旬にかけて大きく下落。48,235円まで約4,400円の値動きとなりました。
その後、20日以降は反発して持ち直したものの、月末にかけてはやや落ち着いた値動きに。結果として、月末終値は 50,253.91円(前月比 -4.12%) と、調整色の濃い月となりました。
ローソク

線(終値)

| 前月末終値 | 52,411.34円 | 10/31 |
| 今月高値 | 52,636.87円 | 11/04 |
| 今月安値 | 48,235.30円 | 11/19 |
| 今月末終値 | 50,253.91円 | 11/28 |
| 前月比 | -2,157.43円 | |
| 前月比(%) | -4.12% | |
| リスク(前日比%の標準偏差) | 1.58% | |
| 変動幅(高値ー安値) | 4,401.57円 |
TOPIX
11月のTOPIXは、全体としては「下げた場面もあったけど、結果的にはしっかり戻してプラスで着地」という流れでした。
月の前半から中旬にかけては 3,300ポイント前後で推移していましたが、11月18日には終値で 3,251pt まで急落。ただ、その後はしっかりと持ち直し、月末には 3,370ポイント台を回復。結果として11月は、わずかながらプラスで終える堅調な動きとなりました。
ローソク

線(終値)

| 前月末終値 | 3,331.83pt | 10/31 |
| 今月高値 | 3,389.12pt | 11/13 |
| 今月安値 | 3,200.08pt | 11/05 |
| 今月末終値 | 3,378.44pt | 11/28 |
| 前月比 | +46.61pt | |
| 前月比(%) | +1.40% | |
| リスク(前日比%の標準偏差) | 1.10% | |
| 変動幅(高値ー安値) | 189.04pt |
S&P500
11月のS&P500は、月初こそ 6,800ポイント台をキープして堅調にスタート。しかし、中旬にかけてじわじわと下落が続き、11月20日には 6,538pt まで下げる場面がありました。
ただ、その後はしっかりと反発し、月末には再び 6,800ポイント台を回復。最終的な月末終値は 6,849.09pt(前月比 +0.13%) と、わずかにプラスで11月を終えています。
ローソク

線(終値)

| 前月末終値 | 6,840.20pt | 10/31 |
| 今月高値 | 6,882.32pt | 11/03 |
| 今月安値 | 6,521.92pt | 11/21 |
| 今月末終値 | 6,849.09pt | 11/28 |
| 前月比 | +8.89pt | |
| 前月比(%) | +0.13% | |
| リスク(前日比%の標準偏差) | 0.95% | |
| 変動幅(高値ー安値) | 360.40pt |
ナスダック総合
ナスダック総合は、11月3日に一度 23,976pt の高値をつけたものの、その後は下落基調が続き、前月比でマイナスが続く展開となりました。中旬には 22,000ポイント台前半 まで大きく売られる場面もありましたが、下旬にかけては反発し 23,300pt台 まで回復。
とはいえ、月末時点で前月末を上回るほどには戻りきらず、最終的には 前月比 -1.51% とマイナスで11月を終えています。
ローソク

線(終値)

| 前月末終値 | 23,724.96pt | 10/31 |
| 今月高値 | 23,976.84pt | 11/03 |
| 今月安値 | 21,898.29pt | 11/21 |
| 今月末終値 | 23,365.69pt | 11/28 |
| 前月比 | -359.27pt | |
| 前月比(%) | -1.51% | |
| リスク(前日比%の標準偏差) | 1.37% | |
| 変動幅(高値ー安値) | 2,078.55pt |
騰落率の比較
ここでは、2025年10月末の終値を基準 に、日経平均・TOPIX・S&P500・ナスダック総合の騰落率(%)を比べていきます。
11月は主要な株価指数がそろってやや軟調な展開でした。特に、日経平均とナスダック総合は大きめの下落が目立ち、日経平均は月の途中で ▲7%を超える下落となる場面も。米国のS&P500も中旬に ▲4%超の下げ を経験しましたが、その後は持ち直して月末にはほぼ横ばいまで回復しました。
一方で、TOPIXは比較的しっかりとした動きで、月末時点ではプラス圏をキープ。指標ごとに強弱が分かれた1か月となりました。

年初来の価格推移
日経平均
年初は4万円近辺からスタートし、2~3月にかけての調整で 3万5千円台まで下落。その後は春以降に反発し、夏から秋にかけては上昇の勢いが強まりました。
10月にはついに 史上最高水準となる5万2千円台を突破。11月も月初に高値をつけましたが、その後は一旦調整が入りやや反落。それでも、なんとか 5万円台をキープして11月を終えました。
ローソク

線(月末終値)と棒グラフ(前月比%)

| 前年末終値 | 39,894.54円 | 24/12/30 |
| 今月末終値 | 50,253.91円 | 25/11/28 |
| 年高値 | 52,636.87円 | 25/11/04 |
| 年安値 | 30,792.74円 | 25/04/07 |
| 前年比 | +10,359.37円 | |
| 前年比(%) | +25.97% | |
| リスク(前月比%の標準偏差) | 6.10% | |
| 変動幅(年高値ー年安値) | 21,844.13円 |
S&P500
年初は6,000ポイント前後から始まり、2~4月にかけて 5,600ポイント台まで調整。しかし5月以降は反発の流れに入り、夏から秋にかけては堅調に上昇しました。
9月には6,600ポイント台を突破し、10月にはさらに高値を更新。11月も 6,800ポイント台を維持しつつ、小幅ながらプラスで引けています。
ローソク

線(終値)と棒グラフ(前月比%)

| 前年末終値 | 5,881.63pt | 24/12/31 |
| 今月末終値 | 6,849.09pt | 25/11/28 |
| 年高値 | 6,920.34pt | 25/10/29 |
| 年安値 | 4,835.04pt | 25/04/07 |
| 前年比 | +967.46pt | |
| 前年比(%) | +16.45% | |
| リスク(前月比%の標準偏差) | 3.14% | |
| 変動幅(年高値ー年安値) | 2,085.30pt |
騰落率の比較(年初来)
年初から春にかけて、日経平均もS&P500も大きめの下落を経験しましたが、夏以降はどちらも力強く回復。特に日経平均は秋にかけての上昇が際立ち、一時 +30%超 まで急伸しました。S&P500も安定した推移で +15%前後 をキープし、堅調な動きとなっています。

過去の11月データと比較
日経平均
2025年11月の日経平均は 前月比 -4.12% とマイナスで着地。過去56年の中で 46位 という下から数えたほうが早い結果となり、やや低調な11月でした。
過去には 2020年の +15.04% のような大幅上昇の年もあれば、1993年の -16.73% のように大きく下げた年もありましたが、 平均で +1.39% と上昇傾向にあります。そうした中で見ると、2025年の11月は「どちらかというと弱めの11月」という感じになりました。
| 2025年11月の騰落率(前月比%) | -4.12% |
| 成績 | 46位/56年 |
| プラスの年 | 34回 |
| マイナスの年 | 22回 |
| リスク(騰落率の標準偏差) | 5.90% |
| 平均騰落率(算術平均) | 1.39% |
年ごとの11月騰落率

騰落率の分布

S&P500
S&P500の2025年11月は 前月比 +0.13% と、ごくわずかなプラスにとどまりました。過去61年の中で 42位 という控えめな成績で、「ちょっと物足りない11月」といった印象です。
S&P500は、過去の11月は 平均 +1.89% とプラスの年が多いのが特徴。43回がプラス、18回がマイナスと、上昇しやすい月ではあるものの、今年はその強さがあまり発揮されなかった形です。
| 2025年11月の騰落率(前月比%) | +0.13% |
| 成績 | 42位/61年 |
| プラスの年 | 43回 |
| マイナスの年 | 18回 |
| リスク(騰落率の標準偏差) | 4.48% |
| 平均騰落率(算術平均) | 1.89% |
年ごとの11月騰落率

騰落率の分布

日本国債10年利回りの推移
今月の動き
11月の10年国債利回りは、月初の1.67%からじわじわと上昇。月の後半には 1.80%台に乗せ、月末は 1.81〜1.82%前後で推移しました。全体として、「11月は上昇傾向がよりハッキリした月だった」と言える動きです。

| 前月末 | 今月末 | 高値 | 安値 |
|---|---|---|---|
| 1.670% 2025/10/31 | 1.812% 2025/11/28 | 1.825% 2025/11/26 | 1.676% 2025/11/5 |
今年の推移
2025年の年初は 1.15%前後の水準でスタート。春先には一時 1.13%まで低下したものの、その後はゆっくりと上昇に転じました。夏以降は 1.6%台で安定して推移していましたが、11月に入ってから上昇が再加速。最終的には 11月末に 1.8%超まで到達しました。

まとめ
2025年11月の金融市場は、10月の大幅上昇から一転して「ちょっと一休み」のような調整ムードが強まった1か月でした。
日経平均は史上最高値を更新した直後に反落し、月間では▲4.12%とやや物足りない結果に。一方、TOPIXは比較的しっかりした動きで、月末にはプラス圏をキープするなど、日経平均よりも安定感が目立ちました。米国株では、S&P500がわずかにプラスを確保したものの、例年の11月と比べるとやや勢い不足。ナスダック総合は中旬に大きく下げた後、持ち直しはしたものの、最終的には前月比マイナスで終わっています。
債券市場では、日本国債10年利回りが年初の1.1%台からジリジリと上昇し続け、11月にはついに1.8%台に到達。株式が一服する中で金利の上昇がよりはっきり見えたことは、投資環境の変化を感じさせる動きとなりました。
11月は「株式はお休みモード、債券は金利上昇が鮮明」というコントラストが際立った1か月でした。年末に向けて市場がどちらに動くのか、引き続きチェックしたいところですね。

毎日のニュースは流れが早くて大変だけど、月ごとに振り返ると全体の動きが見えてきて、意外と面白いんですよね。